Kitです。

タイムマシンが実現不可能な理由の一つに、「時間の概念そのものが人間が作り出したもので定義付け不可」であるらしい。たしかに、時間というものは苦しい時はものすごく長く感じ、楽しい時はあっという間に過ぎ去っていく、同じ空間に居ても人によって感じ方が全く異なるのはその証ではないだろうか。私にとって抑えることのできない流れを持つ”時間”とは、人生というステージからジワジワと押し出されるような恐怖にも似た感覚がある。「これ切りの人生、表現含めできる限りのことを思い切り楽しみたい」という思いで臨む日々であるが、皮肉にも楽しみに対する時間の速さはまさに一瞬、気が付けば時は過ぎているのである。かと言って巻き戻したいかと聞かれれば答えはNo。過ちも失敗も更新し続けてこその”今の自分”だから。イメージの空間で一瞬の出会いを求めているアーティストにとっては、1秒先の未来も無用なのである。まさにこの今が全て。

無心でひた走ってきた結果が目の前にあることを考えれば、それは楽しみという代償を払い最短ルートで目的地に到達したことになる。つまり自身の持つタイムマシンはそれなのである。

Kit.