全てを否定する全てを知ったような大人が大嫌いだった。 紙の上では大人と定められても否定はずっと続いた。 新しいものを拒む大人達へ「なら何で自分をここへ入れた」と食って掛かった時もあった。 月日が過ぎやがて否定されなくなり頼られる事が増えていった。 頼られれば信頼を勝ち取るべく、実力以上に存在力を誇示するようになっていった。 そしていつしか若者の言葉を鼻であしらうようになっていた・・・ 自分が嫌いだった”あの大人”になっていた。 

「成人が大人」だっていうのはあくまでも社会が決めた弁えとしての話。 役割、考え、行いがそれまでと一変した時こそが、本当の意味で大人になったという事なんだと思う。 その大人もやがて否定も肯定もされず、霧の如く静かに社会から消えて行くんです。 「こんなことなら受け入れられなくてもいい、がむしゃらに何かを追いかけられる子供のままがいい」なんて何度思った事か・・・ 

なるほど、もしかしたら大人が若者へ向けるあの感情は、”若さが持つ魅力”に対する嫉妬なのかもしれない。  

若いって素晴らしい。

Kit でした。