Kitです。
以前、「子供に特別な才能を付けるにはどうしたらいいと思う?」と友人から相談を受けました。友人宅では、ピアノやバスケットボールなどの習い事をさせているらしく、どれもあまり集中できていない様子。お金と時間を掛けた英才教育であれば刷り込み学習の効果も現れるのでしょうが、かつての私自身がそうであったように、やはり「やらされている感覚」がある以上魂レベルでの成長は難しいのではないかと思いました。
今でもよく「才能が先か、精神が先か」ということを考えます。自身に当てはめた場合、今の才能はどの段階で身に付いたものかは正直定かではなく、偶然にも創作へ導く道具が周りにあったこと、親や先生からの作品に対する称賛など、周囲の環境によって成長できた面も大きいので、ひとえに「こうすればああなる」などという概念論では片付けることはできないと、その時は私の事例を挙げるに留めました。
もし、子供に絵の才能があることに気が付いた親が、更に伸ばそうと絵画教室などに集中的に通わせ続けたとして、その子の才能は伸びるものでしょうか・・・ おそらく嫌気がさし絵が嫌いになると思います。仮に子が自発的に教室に通い続けたとしても、それは絵を描く技術が延びるだけで、絵を使った表現方法(人に対するメッセージの向け方)を知らない人間になってしまう可能性もあります。つまりは、以前述べた感性の育て方にも通じるように、才能と並行して人間性、幅広い視野や経験、不断の努力等を身に付けていくことではじめて、バランスの取れた表現者になれるのではないでしょうか。
今思えば、私の両親はこれまで一切促すことなく「あなたの好きなように、考えて選びなさい」と、自由思想の下で育ててくれました。成功も失敗もすべて自己責任です、おかげで事の良し悪しを身を持って経験することができ、それは今でも大いに役立っています。自身もまだまだ成長する必要のある人間、アーティストなので、偉そうなことを言える柄ではないのですが、才能を手にしたとき、親の有難みがひしひしと伝わってきたことは紛れもない事実です。
ただただありがとう。
Kit.
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