Kitです。

 表現作品そのものがアーティストそれぞれの個性であり分身なので、基本的に優劣は設けるべきではないと考えるのですが、やはり優れた作品に出くわすことがあります。それらは大抵、緻密で計算された美麗な作品ではなく、 アーティスト自身が情熱そのものを吐き出すように描かれた作品。

荒々しいタッチでありながら無駄のない線、直感によるものであろう見ごたえある構図と色使い、さらに生き生きとしたモチーフに至る全てにおいて「楽しんで描いた」痕跡が見て取れるのです。

 評価すべきは数に対し退屈な作品がほぼ見当たらない点。つまりそのアーティストは豊かなイメージと常に出会えているということ、作品を作る以前にアートの真髄に触れているのである。

 実に歯がゆい、ジェラシーにも似た感情が生まれる瞬間ではあるが、触発し合い成長していけるのもアーティストの特性。

 「次は私の番だ!」と珍しく闘志に火がついた、そんな素敵なアーティストと出会ったお話でした。

Kit.