Kitです。

私をはじめ孤独を愛するアーティストにとって、引きこもって生きることに抵抗感は感じないが、それは世の中が日々正しく機能していることが前提なのである・・・まるで地球が停止してしまったかのような、血流でもある人のめぐりが途絶えようとしている今、イメージの世界を覗くことが容易ではなくなってきているのを身を持って感じる。

それは世界中のアーティストも同様、物理面と精神面にさらされる恐怖、制限を強いられている以上、絞り出すようにメッセージを出さなくてはならないのである。「こういう時こそ明るくなるような作品を・・・」と、自分自身に鞭打ってペンを走らせるものの、生命の脅威にさらされているためか、気が付けば心の深層部がテーマとなって出てしまう。それもまた後に思い返すきっかけになるからと描き続けるのだが、それを思うということは、すなわち「あの”日常”がなくなってしまった」ということに他ならない。

家族、生活、仕事、そして自分と、すべてに対する”在り方”一つ一つに目を向けるようになった今、あらためてアーティストはどう生きるべきか考える時期にきているような気がする。

生きるために必要な衣食住に対し、アートは「単なる娯楽」ととかく扱われがちだが、そこには人の心を掴む感動と動かすだけの力がある以上、こうした難局の時にこそより多く発信すべきなのかもしれない。

今にも停止しようとしているこの世の中で、作品を見てわずかでも何かを感じてくれればそれは心の中の何かが動いたと言うことです。大したことはできないかもしれませんが、それがきっかけであなたが一瞬でも前向きになれるよう私は今日も描き続けます。

いつもありがとうございます。

Kit.