好きな人、モノに対しては近すぎで見えなくなることが多々ある。 そこから意図的に遠ざかることはとても難しく苦しいこと。 だがあえてそうすることで見えてくるものがある。 向き合う対象との関係性で重要なのは距離感。 互いが位置する間にある信頼、慈愛といった感情が手を取り、互いに引き合いながら絶妙な均衡を保っているのは地球と月の関係にも似たり。
この数か月、はじめて意識して描くことを手放してみて感じたのは、これまで味わったことのない”自由”。 気が向いたらペンを取り、少し描いてみて気が乗らなければペンを置く。 簡単なようでそれが出来なかったのは、これまでいかに結果に対し執着、依存してきたかということに他ならない。 本当に目を向けるべきは外にある豊かさなどではなく、何も持たずしても凛と立っていられる内なる強さ。 手放しという変化をもたらす行為は起きるものではなく、あえて”起こすもの”なのではないだろうか。
そんな心境の変化を経て制作した本作品”阿吽”は、はじまりの烈火の如く燃え盛る自分と、今の清流のような静けさを持つ相対する自己を表現してみました。
”描く”優越感ではなく、”描ける”幸せを知ったことによって、今後の活動にどのような変化が起こるのか、どうぞ温かい目で見守っていただければ幸いです。
私はしっかりと、着実に進化、進歩し続けております。 もしかしたら今後は全く異なる分野へ移行しているかもしれませんが、それも現存する自分ですから・・・
いつもありがとうございます。 それでは、またいつの日か。
喜人でした。
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