Kitです。

私の場合、”描き出しがシルエット”という少し変わった技法を用います。(詳しくはブログ内、“How to 2D Sculpting” vol.1をご覧ください)一口にシルエットといっても、その真っ黒な影に内包された情報量はある意味無限。線画にはない自由な攻略法に毎度ワクワクさせられます。

私が称している2D Sculptingも、三次元ベクトルと光源位置の換算という、”形を効率よく見せる方法”としては極めてベーシックなものなのです。まずはじめに、描きたいテーマに沿い、メインとなるオブジェクト本体を脳内で少ない多面体へ再立体化します。続けて、モチーフを配置する空間の設定に加え、それらがより効果的に見えるよう光源位置を決めます。光源が決まったら多面体にライトを充てるようにシルエットを消しゴムツールで削っていきます(シルエットレイヤーの下にはベースカラーが複製されています)。ここでポイントなのは、影は加えるのではなくできるだけ“残す””落ちる”ような考え方を持ってください。つまり、本体(色を含めたベースオブジェクト)に光(消しゴム)が当たり、自然に残ったものが影(最初描いたシルエットの一部)。2D Sculptingは”線”というガイド、固定観念に囚われることなく、三次元の法則、自然の摂理に基づき描くことができるのです。

私はこれに出会ってから「絵を描く」ではなく、「絵で表現する」という言い方に変わりました。それだけ描くことが奥深いということに気が付いたのです。アーティストそれぞれに卓越した技があると思いますが、共通して言えるのは学びでは得られない感性の目、「本質の捉え上手になる」に尽きるのではないでしょうか。

Kit.