幼少の頃から苦労人だった父。 豊かさを求め身を粉にし一家を養った父。 やがて親となり、私含め家族のために更に働き続けた。 結果得られた豊かな生活とは対照的に父は樹々に触れ、筆を執り、仏を彫り続けた。 父にとっての豊かさとは目に見えない世界にあるのだと、子供ながらにその背中から感じ取っていた。  

あれから年月は過ぎ、同じ立場に立ってみて分かったモノの見え方、感じ方。

つくづく思う。 あなたの子でよかった。 

Kit.