Kitです。

唐突ですが・・・ 私、RoboCopが大好きなんです。 ええ、勿論ポール・バーホーベン監督作品の1987年版です。(2、3は・・・ ルイスことナンシー・アレンは大好きだけど、ゴメンナサイ)
当時、映画マニアの高校生だった私の情報源は、毎月購読していたロードショー、スクリーンという映画雑誌。ある日、公開前のロボコップの特集ページを見て、「何なんだこの生々しいロボットは・・・」と、84年作品のターミネーターに代表されるメカメカしいロボットにはない、人間臭さととどこか切なさを併せ持った”異質なもの”として頭に飛び込んできたことを今でも覚えている。
公開日に新聞で上映時間を確認し、学校から40分掛け自宅に戻り、着替えて電車に飛び乗り1時間、更にバスで20分、着いた劇場でチケットとパンフレットを購入する。 その時点でもう息は上がっているのだが、その荒い息遣いは後に興奮の息遣いへと変わっていくのである・・・
いきなりのタイトル、そして救いようのないニュースを通じ絶望的な世界へと引きずり込まれていく。 この導入部分だけで既に期待値MAX。序盤、一人の家族思いの優しい警官がロボコップになるまでを、バーホーベン監督お得意の無慈悲で残虐なインパクト特大の描写で観る者を圧倒。 そしていよいよロボコップの登場で、私は目が眩むほどの興奮を覚る。頭のてっぺんからつま先まで一切無駄のないデザイン、そして究極にしびれるあのエレキドラム風の足音と、オート9の三点バースト音、さらにはエコー掛かった声。 そこあるのは”一人ロックバンド”のそれなのだ。ついでにオマケしておくと、「格好がいい」と広辞苑で引いた内容が、そのままスクリーンに映し出されていると言っていいほどにクールでカッコいい。

このまま話し続けると、数日文のブログ文字数を簡単にオーバーしてしまうので、あえて割愛させていただくが、この映画の真の醍醐味はロボコップのカッコよさではなく、決められた運命を受け入れざる得ない状況下で次第に目覚める過去の記憶、しかも”死の苦痛”と”二度と戻らない愛”という二極の感情を抱えたまま、自身の存在意義と人としての尊厳を取り戻そうと懸命に生きる元人間の物語。見る者によっては「もう真実を追求せず、ロボ警官のままでいいじゃない!」と言わせてしまうような、そんな究極に切ない映画なのだ。
そして最後の最後で言うあのセリフで、ロボコップ自身と観る者全ての苦しみは解放されるのである・・・

かつて謳われた”宇宙刑事ギャバン”をパクったとされる説については、「いやいや、こちら裏面もしっかり作り込んだ全身特殊チタン合金製ですから、ピーター・ウェラーのとってもセクシーな唇が出てますから」と反論させていただく。 間違いなくスーツデザイナー、ロブ・ボーティンの才能あってのものなのだ。
ちなみに、宇宙刑事ギャバンは大好きな特撮ヒーローの一人です。(先日描いた「天上天下唯我独尊/”星いずみ”」は一条寺烈のオマージュ作品です)

あと、ブロムカンプ監督とピーター・ウェラーによる、ロボコップの後日作品がなくなったことは、私の人生にとって大きな痛手になることは間違いない。年老いたロボコップ/マーフィーのその後・・・ 紛れもなく死ぬまでに観たい映画No.1なのである。

では、私のロボコップコレクションを最後に、またいつの日かロボコップについて熱く語れればと思います。 えっ? もういい?

Kitでした。